美容師歴20年以上の私がサロンで「頭皮がべたついてフケが多く、シャンプーをしてもすぐ汚れる感じがする」というお客様の頭皮を診ると、多くの場合「脂漏性皮膚炎」が疑われる状態になっています。脂漏性皮膚炎は薄毛の原因にもなるため、正しい対処が必要です。今回はその仕組みと正しいケア法を解説します。
脂漏性皮膚炎とは何か
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂分泌が多い部位(頭皮・顔のTゾーン・眉間・鼻周り)にマラセチア菌(常在真菌)が過剰増殖し、炎症を引き起こす皮膚疾患です。
マラセチア菌は誰の皮膚にも存在する常在菌ですが、過剰な皮脂分泌・免疫力低下・ストレスなどで異常増殖すると、皮脂を分解して遊離脂肪酸を産生し、これが皮膚への刺激・炎症の原因になります。
特徴的な症状:黄色みがかったベタベタしたフケ・頭皮のかゆみ・赤み・べたつき。ひどくなると頭皮全体が炎症状態になり、毛根ダメージから薄毛が進行します。
❶ 脂漏性皮膚炎を悪化させるNG習慣
シャンプーのしすぎ・洗いすぎ:「べたつくから」と1日2回以上洗うと、皮脂が奪われて防御反応として過剰分泌が起き、さらにマラセチア菌の栄養(皮脂)が増えるという逆効果になります。1日1回のシャンプーが基本です。
ストレス・睡眠不足:自律神経の乱れは皮脂分泌を増加させ、免疫力を低下させます。マラセチア菌の増殖を促す最大のリスク因子のひとつです。
糖質・脂質の過剰摂取:食後の皮脂分泌増加はマラセチア菌の栄養源を増やします。ジャンクフード・甘い飲み物の過剰摂取は脂漏性皮膚炎を悪化させます。
❷ 脂漏性皮膚炎の正しい対処法
抗菌・抗真菌成分配合シャンプーを使う:ピロクトンオラミン・ジンクピリチオン・サリチル酸配合のシャンプーがマラセチア菌の増殖を抑制します。医薬部外品の「薬用シャンプー」の中からこれらの成分が入ったものを選びましょう。ケトコナゾール配合のシャンプー(処方薬)は特に効果が高いですが、皮膚科での処方が必要です。
洗い方を改善する:泡立てたシャンプーを頭皮に乗せ、指の腹で優しくマッサージして洗います。爪を立てない・こすりすぎない。すすぎは十分に行い残留物を完全に洗い流します。
頭皮を完全に乾かす:湿った頭皮はマラセチア菌の増殖に最適な環境です。シャンプー後はドライヤーで根元から完全に乾かすことが必須です。生乾きのまま就寝するのは厳禁です。
❸ 症状が改善しない場合は皮膚科へ
市販のシャンプーや生活習慣の改善で2〜4週間経っても症状が改善しない場合は、皮膚科での診察を受けることを強くお勧めします。脂漏性皮膚炎は皮膚科での治療(ステロイド外用薬・抗真菌薬)で比較的早く改善する疾患です。
「フケやかゆみは恥ずかしい」と放置すると、慢性化して薄毛が進行するリスクが高まります。早期対処が最善です。
まとめ
脂漏性皮膚炎のケアポイントは①マラセチア菌過剰増殖が原因と理解してシャンプーを見直す ②抗菌成分配合シャンプー+正しい洗い方+完全乾燥を実践する ③2〜4週間で改善しなければ皮膚科へ早めに相談するの3点です。頭皮のべたつき・フケを放置せず、正しいケアで頭皮環境を整えることが育毛の土台になります。


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