秋の抜け毛は1日何本までなら普通?数えなくてもわかる3つの目安

ケア基礎知識
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「排水口を見るのが怖くなってしまって」

9月が近づくと、この言葉を本当によく聞きます。先週いらした40代のお客様も、シャンプーのたびに手のひらについた毛の量が気になって、数えようとしたことがあるとおっしゃっていました。

まず、いちばん大事なことをお伝えします。秋に抜け毛が増えるのは、正常な反応です。異常ではありません。

髪には毛周期というサイクルがあり、生える時期・伸びる時期・抜ける時期を繰り返しています。夏のあいだに紫外線と汗と皮脂で負担を受けた髪が、涼しくなってきた9月から11月にかけて、いっせいに抜ける時期に入る。動物が毛を生え変わらせるのと同じことが、人の頭でも起きています。

本数でいうと、平常時で1日50〜100本。秋はここから増えて、1日200本を超える日があってもおかしくありません。ただ、私は数えることをおすすめしていません。数えたところで安心できませんし、数えている時点で不安が強くなっているからです。

それと、よく誤解されているのですが、シャンプーで抜けた毛は、シャンプーのせいで抜けたわけではありません。もともと抜ける準備ができていた毛が、洗うという動作で落ちただけです。洗わなければ抜けないのではなく、洗わなければ頭の上に留まっているだけで、いずれ抜けます。ここを勘違いして洗うのをためらう方が、毎年いらっしゃいます。

代わりに、目安を3つお伝えします。

ひとつめは、排水口です。シャンプー1回で手のひらに集まる毛が、指でつまんで細い束くらいなら通常の範囲です。握って明らかにひとかたまりになるほどなら、多い部類に入ります。

ふたつめは、枕です。朝起きたときに枕についている毛が、10本前後なら気にしなくて大丈夫。20本、30本と続くようなら、少し注意して見てください。

みっつめは、ブラシです。とかしたあとにブラシに残る毛を、1週間ためずに毎回取ってみてください。日によって差はありますが、明らかに増えている週があるかどうかがわかります。

そして、本数よりもよほど大事なことがあります。抜けた毛そのものを見ることです。

抜けた毛を1本つまんで、根元を見てください。白くて小さな丸い膨らみがついていれば、それは寿命をまっとうして自然に抜けた毛です。安心して大丈夫です。反対に、根元が細くとがっていたり、何もついていなかったりする場合は、育ちきる前に抜けています。

それから、抜けた毛の太さと長さも見てください。短くて細い毛ばかりが抜けているなら、髪が十分に育つ前に抜けているということです。長くてしっかりした毛が抜けているなら、心配はいりません。ここは、本数を数えるよりずっと確かな見分け方です。

40代、50代の方に、ひとつだけお伝えしておきたいことがあります。この年代は、季節の抜け毛と、女性ホルモンの変化による抜け毛が重なりやすい時期です。見分け方は「いつ終わるか」です。季節性のものは、だいたい11月の終わりから12月にかけて落ち着きます。年を越しても同じ量が続いている、あるいは分け目が明らかに広がってきたという場合は、季節のせいではない可能性があります。皮膚科で相談されることをおすすめします。

この時期にやっていただきたいことを、4つお伝えします。

・抜けるのが怖くてシャンプーの回数を減らさない。毛穴に残った皮脂のほうが、よほど頭皮に負担です
・洗ったらすぐ乾かす。濡れたまま放置すると雑菌が増え、抜け毛が増える方向に働きます
・とかすときは毛先から。いきなり根元からとかすと、抜けなくていい毛まで引き抜いてしまいます
・たんぱく質を意識してとる。髪はほぼたんぱく質でできていて、夏に食欲が落ちていた方は、材料そのものが足りていないことがあります

反対に、この時期にいちばんやってはいけないのが、慌てて育毛剤を何本も試すことです。合わないものを次々に使うと頭皮が荒れますし、そもそも効果を判断するには数か月かかります。まず秋が終わるのを待ってから考えても、遅くはありません。

「この時期にカラーやパーマをしても大丈夫ですか」ともよく聞かれます。結論から言うと、問題ありません。カラー剤が抜け毛を増やすわけではないからです。ただし、頭皮に薬剤がしみる、かゆみが出るという方は、夏のダメージが残っている可能性があるので、担当の美容師に「今日は地肌から少し離して塗ってほしい」と伝えてみてください。それだけで負担がかなり変わります。

怖いのは、抜けること自体ではありません。不安になって洗わなくなったり、強くこすったり、あれこれ試したりして、かえって頭皮を痛めてしまうことです。

秋の抜け毛は、必ず終わります。年内には落ち着きます。それまでは、いつもどおり洗って、いつもどおり乾かす。それがいちばんの対策です。

なぜ秋に抜けるのか、その原因が夏のうちにつくられている話はこちらの記事で詳しくお話ししています。

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