「もう夏バテしちゃって、シャンプーもてきとうになってて」
お盆が過ぎても、まだまだ暑い日が続きますね。この時期になるとぐっと増えるご相談があります。「頭がなんだかにおう気がする」「夕方になると地肌がかゆくなる」というものです。
先週いらした40代のお客様も、うつむいた瞬間にご自分で「あ、これ、におってますよね」と苦笑いされていました。汗をたくさんかく季節だから仕方ない、そう思われる方が多いのですが、実はにおいやかゆみの原因は「汗そのもの」よりも「洗い方」にあることが少なくありません。
なぜ夏の終わりに頭皮トラブルが増えるのか。
まず、皮脂の分泌量は気温が上がるほど増えます。夏場は冬の1.5倍近くになるとも言われていて、その皮脂と汗、それから外の湿気が頭皮の上で混ざり合う。ここに雑菌が増えると、あの独特なにおいが出てきます。においの正体は皮脂そのものではなく、皮脂を分解するときに雑菌が出すにおい物質なんです。
もうひとつ見落とされがちなのが、シャンプーのすすぎです。暑いとお湯の温度を下げたり、シャワーの時間を短くしたりする方が増えます。気持ちはよくわかるのですが、シャンプー剤や皮脂の残りが毛穴にふたをしたような状態になり、そこで雑菌が繁殖しやすくなる。「ちゃんと洗っているのに、におう」という方の多くは、実は「洗えているけれど、流しきれていない」んです。
かゆみについても同じ理由が関係しています。皮脂と汗が混ざったところに雑菌が増えると、頭皮は軽い炎症を起こします。これがかゆみとして出てくる。搔いてしまうと、爪で頭皮に細かい傷がつき、そこからまた炎症が悪化するという悪循環になりやすいので注意が必要です。
対策として、いつもお伝えしているのはこの5つです。
・シャンプー前に、ぬるま湯だけで1分ほどしっかり地肌をすすぐ(予洗い)。これだけで汚れの大半は落ちます
・シャンプーは頭皮を指の腹でマッサージするように。爪を立てるのはNGです
・すすぎはシャンプーをする時間の倍かける気持ちで。生え際、耳の後ろ、後頭部の下側は特に流し残しやすい場所です
・タオルドライは、こすらず押さえるように。生乾きのまま外出や就寝をしない
・週に1〜2回、洗い流すタイプの頭皮用クレンジングを取り入れると毛穴のつまりが軽くなります
反対に、やってしまいがちなNG習慣もあります。
制汗スプレーやデオドラント剤を、頭皮に直接吹きかけること。汗腺をふさいでしまい、かえって皮脂や汗が排出されにくくなります。においが気になるときほど避けてください。
それから、においを消そうとしてシャンプーの回数を1日2回に増やすこと。洗いすぎは頭皮の必要な皮脂まで奪ってしまい、体が慌てて皮脂を余計に出そうとする「過剰分泌」を招くことがあります。朝と夜、両方洗いたい場合は、朝はお湯だけの軽いすすぎにとどめるのがおすすめです。
ひとつだけ覚えておいていただきたいのは、においやかゆみがしばらく続く場合、それは頭皮からのちょっとしたSOSだということです。放っておくと秋の抜け毛や薄毛のご相談につながっていくケースを、これまでたくさん見てきました。今のうちに洗い方を少し見直すだけで、秋を迎えるころには落ち着いていることがほとんどです。
暑さのせいだと諦める前に、まずは「すすぎ」から見直してみてください。それだけで、驚くほど変わる方がたくさんいらっしゃいます。
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