「ずっと同じシャンプーを使っているんですけど、そろそろ変えた方がいいですか?」
サロンでよく聞かれる質問です。今日はこの疑問について、正直にお答えします。
結論から言うと、同じシャンプーを使い続けること自体は、悪いことではありません。むしろ、今の髪や頭皮に合っているシャンプーを見つけているなら、それを使い続けるのは正解です。次々と新商品に手を出してしまう、いわゆる「シャンプージプシー」の状態のほうが、実は髪や頭皮にとって負担になっていることもあります。
ただし、見直したほうがいいタイミングが、実は二つあります。
一つ目は、季節による頭皮の状態の変化です。夏は皮脂の分泌量が増え、冬は空気の乾燥とともに頭皮も乾きやすくなります。一年を通してまったく同じシャンプーを使い続けると、夏はべたつきが気になり、冬はきしみや乾燥を感じてしまう、ということが起こります。
もう一つは、加齢による髪質・頭皮の変化です。30代、40代と年齢を重ねると、髪の水分保持力や頭皮の皮脂バランスは、本人が気づかないうちに少しずつ変わっていきます。20代の頃から同じシャンプーを使い続けている方の中には、「最近なんとなく髪がまとまらない」「頭皮がかゆい気がする」と感じている方が、実は珍しくありません。これは、シャンプーが劣化したわけではなく、髪や頭皮の側が変化したことが原因であるケースがほとんどです。
サロンでお客様の頭皮を実際に見せていただくと、「ずっと同じシャンプーです」という方の中にも、もう少し保湿力の高いタイプに切り替えたほうが良さそうな方がいらっしゃいます。逆に、いろいろなシャンプーを試しすぎて、頭皮のバリア機能が少し疲れてしまっている方には、しばらく同じものを使い続けることをお勧めすることもあります。つまり、「変えるべきか」の答えは、その人の頭皮の状態を見ないと本当は分からないのです。
では、自分で判断する目安として、どんなサインを見ておけばいいのか。次のような変化を感じたら、一度サロンで相談してみてください。
・以前より乾燥やパサつきを感じるようになった
・頭皮のべたつき、あるいは逆にかゆみが増えた
・髪全体のボリュームが以前より減った気がする
・カラーやパーマの色持ち・かかり具合が以前と違う気がする
こうしたサインは、「今すぐシャンプーを変えるべき」というサインというより、「今の自分の髪と頭皮の状態を、一度きちんと確認するタイミング」だと捉えていただくのが、実は正確です。頭皮を実際に見てみないと、乾燥タイプなのか、皮脂が多いタイプなのか、専門的にはなかなか判断がつきません。市販のシャンプーを自己判断で次々に変えるより、まずは今使っているものが「今のあなた」に合っているかどうかを、プロの目で確認することをお勧めします。
先日いらっしゃったお客様も、10年以上同じシャンプーを愛用されている方でした。「変えたことないので、これでいいのか分からなくて」とおっしゃっていましたが、頭皮を拝見すると、季節の変わり目で少し乾燥気味になっていることが分かりました。シャンプー自体を変える必要はなく、週に一度だけ、少し重めのトリートメントを追加するだけで、状態は落ち着きました。シャンプーを変える、変えないの二択ではなく、こうした小さな調整だけで十分なこともあるのです。
もし次にサロンに来られる機会があれば、「このシャンプー、今の自分に合っていますか?」と一言聞いてみてください。カットやカラーのついでで構いません。頭皮の状態は、実は美容師にとって見ればすぐに分かる情報のひとつです。皮脂の量、乾燥具合、赤みの有無など、数分あれば大まかな傾向は把握できます。ご自宅でのシャンプー選びも、その情報をもとに考えると、格段に精度が上がります。
美容師として長年、いろいろな方の頭皮を見てきましたが、「シャンプー選びに絶対の正解」というものはありません。あるのは、「今のあなたに合っているかどうか」だけです。同じシャンプーを使い続けていることに、罪悪感を持つ必要はまったくありません。ただ、季節の変わり目や、年に一度くらいのタイミングで、「今の自分に合っているか」を確認する機会を持ってみてください。その一手間が、髪の調子を大きく左右することがあります。
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